コラム

■私がインターネット上で情報発信を始めた理由

私がインターネット上でゴルフの情報発信を始めたのは 2006年6月1日からです。

2006年6月に、ブログとメールマガジンを開始しました。

メールマガジンでは情報を発信し、 ブログでは読者の方の質問に回答する、 という形を取ることにしました。

なぜ始めたかと言うと

「多くのゴルファーが効率良く上達できないのは 情報に問題があるから」

と感じたためです。

とは言え、そう思っていても 普通のクラフトマンは、情報発信など積極的には行いません。

なぜ情報を発信し、質問に回答しようと思ったか。

それは、一言で言えば

「使命感が強くなった」

ということです。

何だか胡散臭い理由に聞こえるかもしれませんが、 私と同じ境遇に置かれれば、誰しもそう思うはずです。

今でもそうだが、私にはゴルフのセンスがありません。

スコア的には、今では平均70台、 時には60台でラウンドできますが、 それでもゴルフのセンスは、はっきり言って

「完全に無い」

と言って良いでしょう。

なぜなら、人の何倍も練習をしていたのに 人の何倍も下手だったからです。

その昔、私が研修生としてのスタートを切った1年目、 2年間、毎日コースをラウンドし、 朝から練習し、毎日何百球とボールを打ったのに 2年経っても100〜120回、打つこともあったからです。

(クラブ選びに失敗したという要素もありますが) 信じられないような話かもしれませんが、 これは本当の話です。

誇張は一切ありません。

これだけでも十分、センスの無さが分かるかと思います。

おそらく、 この記事を読んでいるあなたの方が 私より遥かにゴルフのセンスがあると思います。

くどいようですが、そんなわけで、 私には本当にゴルフのセンスがありません。

ただし、物事は一長一短です。

普通のゴルファーよりとてつもなくセンスが無い私は、 普通のゴルファーよりとてつもなくスイングの研究しました。

普通にゴルファーにとって、 大して考えなくても出来てしまうことが 私には出来ませんでした。

なので、私の場合、

「どうすれば、出来るようになるのか」

を真剣に考えました。

箸の使い方に例えます。

普通に箸を使える人は、 もはや何も考えなくても箸を使えます。

「慣れ」で使えるようになっていきます。

しかし、私の場合は

「どうすれば箸を使えるのか」

を、考えなければならないのです。

つまり、 箸を使うセンスが無いので、 箸の使い方を理論的に解明しないと 使うことが出来ないということです。

「そのうち慣れるよ」

が通用しません。

理論が分からないと、 使えないのです。

箸に例えると、そういうことです。

つまり、 何がどうなっているのか理解できないと、 まともにボールが打てなかったのです。

あなたに一度は経験してもらいたいくらいです。

本当にゴルフを辞めたくなるくらいです。

趣味だったら、すぐに辞めていたと思うが、 それで人生を切り開こうと思っていたので、 安易に辞めるわけにも行きません。

「趣味ではなかった」という点も、 研究を深めた1つの要因です。

趣味なら理解を深めるに至らず辞めているからです。

ともかく、それくらい、 私にはゴルフのセンスが無いということです。

しかし、 それにより、

「何をどうすれば、どうなるのか」

と言うことを、 人一倍、理解するに至りました。

その後は直ぐにアシスタントプロになりましたが、 ツアープロへの道は様々な事情から断念し、 クラフトマンとして、多くのゴルファーのクラブの見立て、 スイングの分析をする道に進みました。

その時に使用するツールに 「サイエンス・アイ」 という計測ツールを使用しました。

このツールにより、打球の

・ボール初速
・打ち出し角度
・バックスピン量
・サイドスピン量
・フレ角(左右打ち出し角)
・飛距離

と、

・インパクト直前のヘッドスピード

を計測し、さらに、 天井と飛球線後方に設置した高速カメラによって

・インパクト前後のフェース面の向き
・インパクト前後のスイング軌道
・インパクト前後のクラブヘッドと手元の位置関係(ハンドファースト、など)

を計測できるようになりました。

このツールで、 数千人のゴルファーの診断をし続けてきました。

(余談ですが、アキュベクターも所持しています) 実は、このサイエンス・アイというツールは とてつもない情報を知ることができます。

しかし、多くの指導者は そのとてつもない価値に気づいていません。

大手ゴルフショップの多くに サイエンス・アイは設置されていますが、 そのとてつもない価値に気づいている人は少ないのです。

得られる情報の価値を知らないのかもしれません。

だから、計測をしたお客さんも それがどれだけ凄まじい価値のある情報なのか 分かりません。

それも当然です。

なぜなら、 このサイエンス・アイのとてつもない価値に気づくには スイング理論を理解している必要があるからです。

スイング理論を理解していない人が使用しても 大してその凄さが分かりません。

ここにズレが生じます。

個人でショップをやっているような所は、 サイエンス・アイのような高額な設備を投入しません。

せいぜい、アキュベクター程度です。

しかし、個人でショップをやるような人物は 比較的、知識やスキルが高いので サイエンス・アイの価値に気づける可能性が高い。

一方、大手のショップの場合、 一店舗に何台ものカメラ付きサイエンス・アイを設置できます。

資金力があるからです。

しかし、その計測器を使用する店員のスキル、 知識が乏しく、そのとてつも無い価値に気づけないことが多いのです。

(全てがそうとは言えない)

また、クラブを売ることがメインなので、 スイングに対する指摘はあまりしないし、 指摘するスイング知識もあまりありません。

手前味噌だが、 私の場合、スイングの知識があります。

ゴルフのセンスが無くて考え抜いた経験があるからです。

なので、サイエンス・アイの情報の とてつもない価値に気づくことができました。

そして、数千人のゴルファーを サイエンス・アイを活用し、 指導してきて分かったことが有ります。

それは、ゴルフ上達のステップは

1.現状のスイングを正確に把握する

       ↓

2.問題点を見極める

       ↓

3.解決策を実施する

しかない、ということです。

1の現状の把握は、サイエンス・アイを活用して 定量的に(数値的に)把握する。

そして、その数値のどこに問題があるのかを確認します。

ここからが私の指導の優位性が生まれます。

次に、

「なぜ、問題の数値が出てしまうのか」

を見極めます。

これは、普通の指導者には出来ません。

数値のどこに問題があるのかを 診断することは、誰でもできます。

「バックスピン量が多いですね」

「スライス回転が多いですね」

「ヘッドスピードの割にボール初速が遅いです」

「弾道が高すぎますね」

「飛距離が出ないですね」

そんなことは、誰でも分かります。

しかし、

「なぜ、その問題の数値が出てしまうのか」

が、ほとんどの人がわからないことなのです。

しかし、私にはその原因が分かります。

そして、それを誰でも理解できるように、 分かりやすく説明することができます。

なぜなら、 私はゴルフのセンスが無いので、 スイングのことを凄まじく研究したからです。

普通、そこまで研究しなくても、 そこは慣れや感覚で出来るだろう、 というところまで、研究しました。

そして、

「どうすれば、その問題を解決できるか」

まで、私は指導することができます。

最初から、こういう指導ができたわけではありません。

実際に、多くのゴルファーを指導する中で 最も結果が出る方法を考え、 磨かれていった結果、 出来上がった、 確実に上達できるパターンなのです。

そこで、多くのゴルファーを指導していて 気づいたことがありました。

「結局、誰もが上達できる1つの練習法など無い。

ゴルファー個々によって問題は違うのだから、 解決策が違って当たり前なのだ」 ということです。

全ての病を治す薬が無いのと同じです。

症状にあった薬、治療法がある。

そんな当たり前のことに、 私の考えは到達し、 それこそがスイング理論の核心であると思い至りました。

ところが、 世のレッスン書、 レッスンプロ、 ゴルフ雑誌、 その多くは、

「これさえやれば、誰でも上達できる!」

と言う調子で、情報を発信します。

これは、

「何でも治す万能薬です!」

と言っているようなものです。

そんなものは、ありません。

ゴルファー個々に違うのです。

しかし、そういう情報に多くのゴルファーは 影響されてしまいます。

たまたま自分に合えば良いが、 多くの場合、そうでは無いのです。

そして、 そういう情報を信じて 何十年も無駄な練習をしてしてきたゴルファーが 私の元に多く現れます。

そこで、サイエンス・アイを使い、 数値計測をし、 高速カメラのインパクト時の拡大映像を見せ、 そのスイングの問題点を説明し、 その間違いに気づいてもらう。

その瞬間は、なかなか辛いものがあります。

今まで信じてやっていたことが無駄だった、 何も知らずにゴルフの練習を重ねてしまった、 もっと早く気づいていれば、 という方が殆どだからです。

そういうゴルファーを、沢山見てきました。

なのに、 未だに押し付けがましい情報を発信するレッスン書や

「これからは左一軸スイングの時代!」

などとやった後は

「新発見!体重移動をしたほうが飛んで曲がらない!」

などと、主張をコロコロ変える ゴルフ雑誌のレッスン記事、 大して勉強もしないで偉そうにしているだけのレッスンプロを見ていると、 「この業界の情報発信には問題がある」と感じてしまうのです。

きっと、あなたが私の立場だとしたら、 同じように、問題に感じるはずです。

「ゴルフがもっとうまくなりたい!」

と真面目に考えるゴルファーの想いは とても強いものがあります。

そういうゴルファーが、 色々な情報に踊らされてしまっていて、 実際、そういうゴルファーが私のところに訪れ、 正しいデータに基づく分析をした結果、

「今まで何をしていたんだ・・・」

と愕然とする姿ばかり見ていると、

「本当に良い情報を発信したい」

という、使命感のようなものを感じるというのも 分かっていただけると思います。

カッコつけた言い方をしましたが、 要は、いつも悲惨な目にあっているゴルファーを現場で見ていると 無責任な情報発信者、レッスンプロなどに 腹立たしさを感じるのです。

しかし、真面目にゴルフが上手くなりたいという ゴルファーがいて、 私の情報を頼りにしてくれる方がいる限り、 有益な情報を提供していきたいと思います。

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