■売れているクラブは良いクラブなのか
売れているクラブが良いクラブとは限りません。
むしろ、大抵の場合、売れるクラブは良いクラブではないことが多いです。
特に大ヒットを飛ばしたクラブは、です。
売れているクラブとはなにか。
大勢のゴルファーが選んだクラブです。
全体のゴルファーの内、その大勢のスイングは手打ちで、下手です。
なかなか上手くなりません。
つまり
・売れるクラブ=大勢が使うクラブ=ゴルファーの大半は手打ちで下手=手打ちがごまかせるクラブが売れる
と言えます。
手打ちスライサーにとって都合の良いクラブはヒット作になることが多いです。
なので、メーカーはそのターゲット層の求めるクラブを「最も売上の出る物」としています。
まじめなクラブは少数のゴルファーにしか売れません。あまり売れないのです。
その少数のゴルファーは上手いか、もしくはキチンと上達していってます。
手打ちとはなにか。
手打ちとは、トップからの切り返しを手から始動してしまうことです。
すると、
・強いアウトサイドイン軌道
・インパクト時のライ角が極端にアップライト(縦振り)
・クラブヘッドが手元よりも先行する(ハンドファーストの逆)
となり、結果、
・引っ掛け球かスライス
・打点がトウに集中
・球が高すぎて全く飛ばない
・ボール初速が遅く、バックスピン量が多く、打ち出し角度が高すぎて飛ばない。スライススピンも多い。最悪。
となります。
大ヒットクラブの特徴は、次のような感じです。
・ロフト角が異様に立っている。(アイアンの場合)
・ライ角がアップライト
・シャフトとグリップが軽すぎる
まずロフト。ハンドファーストで打ったら絶対に上がりません。
しかし、ヘッド先行しているので、弾道がちょうどよくなって飛距離が伸びます。
次にライ角。
極端な縦振りなので、ライ角がアップライトだと、調度良いのです。
身長190cmで調度良いようなライ角。
通常ではありえないライ角です。
次に軽い重量。
手打ちだとトップからの切り返しを手の力だけに頼るので、軽いほうが振り心地がいいのです。
かつ、ヘッドスピードも上がります。
試打の結果も、感触も上々。
計測をすれば
「お客さん、このクラブが一番飛んでます!ヘッドスピードも出てます!高さも丁度良いです!(買いましょう)」
となります。
そして、そのようなクラブを使うことで、ずっと、手打ちから抜け出すことができなくなります。
まるで駄目クラブ中毒のようになってしまうのです。
正しいスイングをすれば、弾道が引くく、引っかかるようになり、かつ、軽すぎてタイミングが取りにくい、となります。
つまり、良いスイングをすると悪い弾道になり、ダメな手打ちスイングをすれば、そこそこ良い球になるのです。
しかし、所詮は手打ち。
安定感は全くありません。
上達も全くありません。
だから、売れているクラブが良いクラブではないことが多いのです。
大規模ファーストフードチェーンのハンバーガーと個人経営レストランのハンバーガーはどちら売れているか。
しかし、どちらが本当においしく、健康的か。
そういうことと、同じようなものです。
売れているものが良いクラブではないことは多いのです。
だから、
・長さとロフト角の関係
・重量
・ライ角
は、キチンとチェックすべきです。
アイアンの長さとロフト角は、
45インチドライバーのヘッドスピードが42m/sくらいなら、38.0インチなら26度くらい重量は、45インチで300〜305gくらいライ角は、身長170cmくらいなら38.0インチで60〜61.0度くらいが、妥当です。
追伸:「芯が大きいアイアンを使うと下手になる!」
ということを言う指導者がいるが、これは嘘です。
芯が大きいこと自体は何の問題もありません。
むしろ、そのようなクラブを使うことは、安定感につながって良いです。
・長さに対してロフト角が立ちすぎている
・軽すぎる
・ライ角がアップライト過ぎる
ということが、問題なのです。
巷のレッスンプロなどのほとんどはクラブに詳しくないので、注意が必要です。
というか、レッスンプロは肩書に甘えて自己研鑚していない、ハッタリで勝負しているものが多いので、真贋を見極める必要があります。