コラム

■スライスの原因と対策(その2)アウトサイドイン軌道がスライスしやすい理由

  「スライスの原因と対策その1」の記事では

「スライスとは、スイング軌道に対してフェースが開くこと」

と説明しました。

今回は

「アウトサイドイン軌道とインサイドアウト軌道、どちらがスライスになりやすいのか」

を説明します。

結論から言うと

「アウトサイドイン軌道の方がスライスしやすい」

となります。

「何言ってるんですか、そんなの当たり前じゃないですか」

と思ったかもしれませんが、その本当の理由を知っている人は、ほとんどいません。

なぜ、アウトサイドイン軌道の方がスライスしやすいのか。

これは

「卓球の打ち方」

に例えると、とてもわかり易くなります。

アウトサイドイン軌道とは、カット軌道です。

インサイドアウト軌道とは、ドライブの軌道です・

カット軌道とは、文字通り、ボールを切るような動作です。

ドライブとは、ボールに順回転をかけるような動きです。

ドライブの場合、自然とフェース面がターンしますが、カットの場合、フェース面を返しにくくなります。

ここがポイントです。

「カット軌道だからスライスする」

のではなく、

「カット軌道の場合、フェースを返しにくくなる」

から、スライスしやすいのです。

これはとても重要なポイントです。

「カット軌道だからスライスする」のではなく、「カット軌道だとフェースを返しにくい」。

カット軌道そのものがスライスしやすい理由ではないのです。

カット軌道の動作は、フェースを返しにくくなってしまう、ということが、本当の理由なのです。

さらに、無理にフェース面を返そうとすると、フェースが返らず、よりアウトサイドイン軌道が強くなってしまう傾向があります。

実際、アウトサイドイン軌道でフェースが開いているゴルファーに

「フェースを返してみて下さい」

と指導すると、大抵の場合、フェースは返らず、単にアウトサイドイン軌道が強くなるだけです。

つまり、フェースを返しているつもりがアウトサイドイン軌道を強める動作になってしまうのです。

フェースを返すことと、アウトサイドイン軌道を強めることを混同してしまっている、ということです。

もちろん、これはそうなると分かっていて、あえてそう指導します。

なぜそんなことをするかというと、間違いに気付いてもらうためです。

自分でフェースを返していると思っていた動作は、実は、アウトサイドイン軌道を強めていただけ、ということに、気付いてもらうためです。

高速カメラの測定器を使用することで、それが画像で明らかに確認できます。

そのため、ほぼ100%の方が、納得します。

百聞は一見に如かず、です。

このような理由から、アウトサイドイン軌道の方がスライスしやすい、となります。

「スライスはアウトサイドイン軌道でしか出ないだろ!」

と単純な批判をしそうになってしまったとしたら、スライスの定義と今回の記事、双方を理解していないので、まずは「スライスの原因と対策その1」の記事を熟読してください。

スライスとは、スイング軌道に対してフェースが開くことです。

インサイドアウト軌道でもアウトサイドイン軌道でもスイング軌道に対してフェースが開けばスライスします。

では、どうすればスライスは直るのか。

基本的にアウトサイドイン軌道が強いゴルファーの場合、まずはアウトサイドイン軌道自体を改善させなければなりません。

理由はさきほど言ったように、アウトサイドイン軌道の場合、フェースを返す、とう動作をやろうとしてもアウトサイドイン軌道が強くなるだけだからです。

仮にアウトサイドイン軌道でフェースをスクエアにした場合、左に真っ直ぐ飛び出すヒッカケ球が出ます。

引っ掛ければまたフェースを開きます。

その繰り返しになります。

なので、まずはアウトサイドイン軌道を改善することが先です。

よく

「アウトサイドイン軌道でスライスしている!もっと手を返せ!」

という指導を聞くことがありますが、この指導は最悪です。

手を返すのはフェースを返す動作です。

アウトサイドイン軌道でフェースをターンさせると、引掛けしか出ません。

まずはスイング軌道の改善が先です。

インサイドアウト軌道になれば、フェースを返すことも格段にやりやすくなります。

卓球でいうところのドライブのようなものだからです。(あくまでイメージ)

では、どうすればアウトサイドイン軌道を改善することができるのか。

それは「スライスの原因と対策その3」で説明します。

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