■スライスの原因と対策(その1)フェース面の開きを抑える
今回は
「スライスの原因と対策(解決策)」
の説明をしていきます。
まず、
「スライスとは何か」
ということから説明します。
スライスとは
「クラブの進行方向に対してフェース面が右を向いている状態でインパクトし、その結果、ボールにスライス回転が多く掛かること」
と、私は定義します。
単純化すると
「インパクト時にフェースが開いて球が右に曲がること」
となります。
ですが、ここでは
「クラブの進行方向に対してフェース面が右を向いている状態でインパクトし、その結果、ボールにスライス回転が多く掛かること」
がスライスである、と覚えてください。
「そんな小難しいこと言わなくても、「スライスはフェースが開いて球が右に行く。」でいいじゃないか」
そう思ったかもしれません。
なので、具体的に説明していきます。
「クラブの進行方向に対してフェース面が右を向いている状態でインパクトし、その結果、ボールにスライス回転が多く掛かること」
これを図で示すと、以下のようになります。
上の図の場合、クラブヘッドの進行方向(スイング軌道)よりもフェースが右を向いています。
この場合、ボールにスライス回転がかかります。
一方、下の図の場合はどうなるか。
上の図の場合、クラブヘッドの進行方向に対してフェースは右を向いていません。
この場合、ボールにスライス回転はかかりません。
目標方向よりもボールが右に真っ直ぐ飛び出すだけです。
このような弾道は、単純な「プッシュアウト」「押し出し」となります。
また、上記の図のような場合は「フェースが開いている(右を向いている)」とは言いません。
確かに、目標方向を基準に見ると、フェースが開いている(右を向いている)状態になっています。
しかし、クラブヘッドの進行方向(スイング軌道)に対して、開いていません。
なので、この場合は「フェースは開いていない」となります。
弾道も目標よりも右に行くが、スライスではありません。
プッシュアウト、押し出し、です。
つまり、スライスとは
「スイング軌道に対してフェースが開き、スライス回転がかかった状態」
と定義できます。
スイング軌道がインサイドアウト軌道でスライス回転がかかった場合は
「プッシュスライス」
となります。
スイング軌道がアウトサイドイン軌道でスライス回転がかかった場合は
「引っ掛けスライス」
となります。
では、
「スライス回転がかかれば全てスライスなのか」
というと、そうではありません。
スライス回転が少ない場合、
「フェード」
となります。
スライス回転が多い場合、スライスになります。
その境界は明確ではありません。
濃淡です。
スライス回転が500rpm程度であれば、フェードと言えますが、1000rpmともなると、スライスと言えます。
後は、バックスピン量や打ち出し角度なども関係します。
結論としては
「スイング軌道に対してフェースが開き、スライス回転が1000rpm以上」
これがスライスの定義となります。
なので、スライスの原因は
「スイング軌道に対してフェースが開いていること」
となります。
「スイング軌道に対してフェースがスクエア」
になれば、スライスは絶対にしません。(ヒール打点のギア効果などを除く)
すると、対策は
「スイング軌道に対してフェース面をスクエアにする」
となります。
では、どうずればスライスを改善できるか、その対策を説明します。
最も簡単で確実な方法は
「フックグリップにすること」
です。
フックグリップにするということは、手が開いてインパクトしてもフェース面はスクエアになりやすい、ということになります。
高度で根本的な解決法としては
「フェースローテーションをキチンとする」
となります。
しかし、フェースローテーションというのは、簡単な技術ではありません。
単にフェースをターンさせる、というレベルの話では無いのです。
「フェースローテーションをする」という方法でスライス対策をするのは、よほどの努力が必要です。
その間、まともにボールに当たらないし、下手をすると、一生、マスターできないまま終わってしまいます。
なので、まずは手っ取り早く
「フックグリップ」
にすることで、さっさと解決してしまう方法をオススメします。
もちろん、フックグリップでスライス対策をすることにも、問題が沢山残ります。新たな問題も発生します。
しかし、フックグリップの問題が大きくなってきた段階で「フックグリップの問題対策」をするのが、良い順序であると、経験上、感じています。
まとめると、
「スライスとは、スイング軌道に対してフェースが開いてインパクトした結果、ボールに1000rpm以上程度のサイドスピン(スライス回転)がかかった状態」
であり、対策は
「フェースローテーションとフックグリップの2種類が主になるが、 根本的対策であるフェースローテーションのマスターを目指すより まずはフックグリップで対策してしまうことがオススメ」
となります。
次回のコラムでは
「スイング軌道とスライス」
の問題を説明していきます。
アウトサイドイン軌道とインサイドアウト軌道、どちらがスライスになりやすいのか。
また、どうすればスイング軌道の問題を解決できるか、などを説明します。