コラム

■パターはライ角どおりに構えるべきか

今回は、

「パターはライ角通りに構えるべきか」

について、説明していきます。

結論から言うと

「決してライ角通りに構える必要はない」

となります。

具体的に説明します。

当然の話ですが、パターにはライ角があります。

そして、パターにはロフト角もついています。

「パターにはロフト角がついているのだから、ライ角通りに構えないと、方向性が悪くなる」

という理由で、ライ角通りに構えることが正しいという意見があります。

極端な例で説明します。

ロフト角が10度のパターがあったとします。

そのパターを地面に完全に寝かせて構えた場合、(シャフトを水平にした場合)フェース面は目標方向よりも10度違う方向を向くことになります。

もし、パターのロフト角が0度ならどんな構え方をしようがフェース面の向きは変わりませんが、ロフト角がある以上、ライ角通りに構えないと、多少なりともフェース面が完全に目標を向かない。

結果、ライ角通りに構えないと、方向性が悪くなる。

そういう理由です。

では、実際にはどれくらい方向性に影響を与えるのか?

大抵の場合、設計値のライ角よりも、インパクト時のライ角が10度ズレるということはありません。

せいぜい、5〜6度くらいが限度です。

では、5〜6度、インパクトのライ角がパターの設計値からずれると、どのくらい方向に影響をあたえるのか?

ざっくりと言って、理論上でも、10m先で4〜5cm、ずれるくらいです。(あくまで理論上)

実際のグリーン上では、10m先の4〜5cmは、芝の抵抗やボールのはね方などの「運」でランダムに変わるレベルです。

5〜6mの距離であれば、カップから外れるほど方向性に影響を与えるということはありえません。

そういった理由から、パターのライ角通りに構えることを無理にする必要はありません。

実際、プロの多くは少しトウ側が浮くようなストロークをしていることが多いのです。

そうすることにより

・正しいストロークプレーンをなぞりやすいこと

・フェース面の芯の位置が高くなるので芯でとらえやすくなる

というメリットが生まれます。

ライ角通りに構える物理的なメリットより、ライ角通りに構えないで打つ物理的なメリット、ストロークが良くなるメリットが上だと判断したならば、そうすれば良いのです。

なので、決してライ角通りに構える必要はありません。

もし、

「ライ角どおりに構えなければならない」

と思っているのであれば、そんなことは気にしなくても大丈夫なのです。

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