■パターにロフト角がある理由
今回は
「なぜ、パターにはロフト角があるのか」
という話をします。
「パターって、ロフト角0度じゃないのですか?」
と思ったかもしれませんが、実は、パターにもロフト角があります。
大抵の場合、2度〜4度の角度があります。(もちろん0度のパターもあります。)
このパターのロフト角、何のためについているのか?
それは、
「転がりを良くするため」
です。
なぜ、ロフト角があると転がりが良くなるのか、具体的に説明して行きます。
パッティングの時、ボールはグリーン上、つまり、芝の上にあります。
芝の上にあるということは、わずかながら、芝に埋もれた状態になっています。(ほんのわずかですが)
そして、芝に埋もれた状態でボールを真横に打ち出すとどうなるか。
埋もれた部分に当たり、ボールがはねやすくなります。
打ち出した瞬間に地面にわずかに当たり、その反動でボールが跳ねやすくなるということです。
このような跳ね方をすると、地面に衝突した分だけエネルギーがロスされ、転がりが悪くなります。
また、跳ねることで方向性も悪くなります。
これを防止するために、パターにはロフト角がついているのです。
ロフト角があることによって、打ち出した瞬間、ボールがわずかならが上に行くエネルギーが発生し、ボールが地面に衝突して跳ねるのを防止することができます。
「パターにロフト角があるなら、それでもボールが跳ねる可能性があるじゃないか」
と思ったかもしれないが、その通りです。
ロフト角がある状態なので、それにより、ボールが跳ねる可能性もあります。
しかし、同じようにボールが跳ねているように見えても、両者には大きな違いがあるのです。
地面に衝突して跳ねる場合は、衝突することによってエネルギーをロスするし、方向性も悪くなるが、ロフト角が原因で跳ねる場合は、それほどエネルギーロスすることも無いし、方向性が衝突して跳ねるほど悪くなることはありません。
ロフト角が原因で跳ねるというのは、悪いことではありません。
むしろ、ロングパットの場合、ロフト角が原因で跳ねたほうが良いのです。(スリップするよりもスムーズに順回転に移行できるため)
打ち出した瞬間、ボールが埋もれていることが原因で地面に衝突して跳ねることだけは避けなければならないということです。
さらに、ロフト角がついている理由はもう1つあります。
それは、
「ボールには常に重量が働いているから」
です。
当然だが、ボールには重力が働いています。
常に、グリーン面に押し付けられる力が働いているということです。
この状態でロフト角0度のバターを使い、ボールを真横に打ち出したらどうなるか。
ボールには真横に対するエネルギーだけではなく、重力による地面へのエネルギーも働き、地面に衝突するエネルギーも発生します。
その結果、ボールは打ち出した瞬間に地面に押し付けられ、エネルギーロスし、跳ねやすくなるのです。
転がりが悪くなることで距離感が悪くなり、方向性も悪くなる、ということです。
つまり、
・ボールが芝に埋もれている
・ボールには重力が掛かっている
2つの理由からボールが地面に衝突しやすく、そのエネルギーロスや跳ねて方向性が悪くなることを防ぐためにパターにはロフト角がついている、となります。
「じゃあ、ハンドファーストにしてロフト角を無くして打つプロがいるが、それはどうなんだ?」
と思ったかもしれません。
ハンドファーストにしてロフト角を0度くらいにして打つプロはいるが、それでも問題が無いように「ある動作」をしています。
その「ある動作」とは何か?
それは、
「アッパー軌道でヒットしている」
ということです。
インパクトロフト角が0度でも、アッパーで打つことでボールを真横に打ち出さないようにして、転がりを良くしています。
これならば、インパクトロフト角が0度でも地面に衝突しにくくなります。
なので、このタイプのゴルファーは、フォローで左肩が上がります。(右打ちの場合)
これが、パターにロフト角がある理由です。
しかし、中には例外もあります。
ロフト角0度のパターを使って、ダウンブローにヒットし、わざとスリップさせるように打つプロも数人いるのです。
これはもう、天才と膨大な努力の果てになせる業なので、一般のゴルファーは真似するのは合理的ではありません。(ロマンはありますが・・・)
今回の話は少々、細かい話になりました。
次回は本題の
「オンプレーンストローク」
に関する説明をしていきます。