コラム

■「真っ直ぐ打つ」パッティングが100%間違いである理由

「パターは目標に対して真っ直ぐストロークすべき」

「いや、インサイドインにストロークすべき」

パッティングに関して、色々なことが言われていますが、その中でも上記の2つの意見は、最も議論される内容だと思います。

真っ直ぐストローク

すべきか、弧を描くようにストロークすべきか。

これについて、100%断言できることがあります。

それは、

「真っ直ぐストロークするのは間違い」

ということです。

具体的に説明します。

まず

「真っ直ぐ」

の意味を、キチンと定義します。

ここでの真っ直ぐとは

「目標とボールを結んだ線の上に沿うように、パターヘッドを動かす」

「ボールの90度真上から見た時、パターヘッドが完全に平行に動く」

という意味です。

この「真っ直ぐストロークする」は、100%、間違いです。

一見すると、ストローク中、フェース面が変わらず、パターヘッドの動きも完全に平行なので、方向性が完璧によさそうな気がします。

しかし、断言します。

100%間違いです。

その理由は、それが

「最悪の動作だから」

です。

なぜ、最悪の動作なのか。

真っ直ぐなストロークをするためには

1.背骨を左右に傾ける

2.テークバックでアウトサイドにヘッドを上げつつフェースを閉じ、切り返しではインサイドに引きつつフェースを開き、フォローでは再びアウトサイドにヘッドを出しながらフェースを開く

という最悪な動作をしなければならないからです。

「真っ直ぐストロークするのが正しい」

という主張をする方は、人間に模した機会をわざわざ作り、パターを装着し、振り子のように肩を動かして

「これこそが最も方向性が良いのだ!」

と言います。これが論拠らしいのです。

しかし、人間はそんなシンプルな構造をしていません。

そのような肩の上下だけの動作など、できません。

それをやろうとすると、背骨も同時に左右に傾いてしまいます。(下図参照)

実際にやってみて欲しいのですが、背骨を意識し、キチンと軸を垂直に保ったまま、真っ直ぐストロークすることはできません。

テークバックでは背骨を左に、切り返しからインパクトにかけては、背骨を左に傾けないといけなくなります。

もし、この動作に狂いが生じれば、フェース面の向き、パターヘッドの軌道がブレます。

真っ直ぐストロークするために、とてもむずかしい動作をしなければならないのです。

かつ、この動作では、

「距離感」

がとてつもなく出しにくくなります。

パッティングの目的は、カップに入れることです。

真っ直ぐストロークすることではありません。

そのためには、方向性と距離感の良い打ち方が大事になります。

「真っ直ぐストロークする」

というのは、真っ直ぐストロークすることを目的としてしまっています。

真っ直ぐストロークすることが目的なので、そのために、複雑で難しい動作を必要としてしまいます。

つまりは

「真っ直ぐストロークするためなら、方向性と距離感が悪くなっても良い」

と言っていることと同じなのです。

健康のために運動を始めたのに

「運動のためなら健康を損なっても良い」

と言っていることと同じです。

本末転倒です。

パッティングの目的は、真っ直ぐストロークすることではありません。

カップに入れることです。

そのために、距離感と方向性の良いパッティングをする必要があるのです。

これは私が分析して分かったことなのですが「真っ直ぐにストロークする」と主張しているプロでも、真っ直ぐストロークしていません。

目標とボールを結んだ線に対して、インサイドインになっています。

本当に真っ直ぐストロークしているプロなどいません。(超・特殊な打ち方を除き)

彼らは感覚で言うことが多いので、そういう意識は持っていても、現実にそんな動作をするプロはいないのです。

また、真っ直ぐストロークするという下らない練習器具を使っているプロでも、実際のストロークでは、真っ直ぐになっていません。

とにかく、

「真っ直ぐストロークすることは100%間違い」

と断言できます。

今後のパッティングの考察から、除いてしまって良いです。

考えるだけ時間の無駄です。

「では、どうすれば良いのか?」

という肝心の話については、次回、解説します。

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