コラム

■倉木真二の考え

ゴルフ業界には、抽象的な情報がとても多いように感じています。

そして、その抽象的な情報というものが、ゴルファーの上達を妨げる原因の一つだと考えています。

抽象的な情報ばかりを得てしまうと、上達の効率が悪くなります。

具体的にできるところは具体的にしたほうが、上達しやすいのです。

しかし、多くのゴルファーは、抽象的な情報を頼りに、それらを信じて練習を行います。

練習には時間を要しますが、時間とは命そのものです。

つまり、命懸けで練習をしている、とも言えます。

こう書くと大袈裟に感じるかもしれないが、 時間は命なので、決して間違いではないと思っています。

限られた命、限られた時間を使って、練習しているということです。

その貴重な練習が、抽象的な情報ばかりを取り入れてしまっていると、上達の効率が悪くなります。

これは、とても勿体無いこと、ゴルフ業界でハマりやすい一つのパターンだと思います。

なぜそんな風に思うかと言うと、抽象的な情報を元に練習したせいで、何十年もの時間を無駄にしてしまったゴルファーを大勢見てきたからです。

そういうゴルファーのスイング診断、クラブセッティング診断を、数多くこなしてきました。

私は、具体的に出来るところは具体的に説明したいと考えています。

指導において、数字で明らかにできることは、数値化するように心がけています。

私は、できる限り

・定量的な情報(数値的)
・視覚的な情報(インパクト時の高速写真撮影など)

を用いて指導をするようにしています。

それこそが、誤解なくゴルファーを指導でき、「全てのゴルファー」を、効率良く上達させることができる唯一の方法だと信じているためです。

そして、その考えを取り入れたゴルフ上達法をまとめたゴルフレッスン教材を販売し、インターネット上で年間売り上げ日本一を記録出来ました。

私は、たった1つの考えに基づいて情報発信しています。

それは、 「抽象的な情報を間違った形で取り入れること無く、具体的で、正しい情報に基づいて効率良く練習して欲しい」 というものです。

ゴルフ業界は、抽象的な情報がとても多いと感じています。

多くのゴルファーを指導してきた私の経験から、確実に、「誰もが」上達できる方法はたった1つしかないと感じています。

その上達法は、3つのステップからなります。

それは、

1.現状の自分のスイングを「正確に」把握する

   ↓

2.スイングの問題点を見極める

   ↓

3.改善策を実施する

の3ステップです。

これこそが、誰でも上達できる上達法だと、経験から、実感しています。

1つ、具体例を出します。

インパクト時にハンドファースト(クラブヘッドより手元が先行する状態)が非常に強く、かつ、インサイドアウト軌道のゴルファーがいたとします。

この場合、次のような問題が発生します。

・弾道が低くなる
・プッシュアウト、チーピンが出る
・アイアンショットがダフリやすい
・シャンクが良く出る
・左足下がりが全く打てない(ダフるかトップ)
・ロングアイアンが打てない
・ショートアイアンが無駄に飛ぶ
・などなど…

この原因は、インパクト時にハンドファーストになり過ぎていること、インサイドアウト軌道になっていることです。

ハンドファーストが強くなると、インパクト時のロフト角が減少するので弾道が低くなります。

また、インサイドアウト軌道になるとプッシュアウトが出やすく、それを嫌がってフェースを返すと低弾道フックになります。

また、インパクト時のライ角がフラットになるのでシャンクが出やすくなります。

かつ、インサイドアウト軌道が強いとスイングの弧の最下点がボールの手前になりやすいのでダフリが出やすくなります。

強いハンドファースト、インサイドアウト軌道過ぎる状態になってしまうのは

・腰の回転が早すぎる(振り遅れ)
・切り返しからインパクト時の左足への体重移動が強すぎる
・切り返しからのコックの解放が遅い
・切り返しでクラブがインサイドへ寝てしまう

などが原因です。

また、このようなゴルファーの場合、弾道計測器で打った弾道の数値計測をすると一定の傾向が表れます。

それは、

・打ち出し角度が低い
・バックスピン量が少ない
・ヘッドスピードに対するボール初速が速め
・フレ角が+(+は右打ちだし)

というものです。

36.5インチ、ロフト角34度の7番アイアンでヘッドスピードが38m/s程度のゴルファーの場合、打ち出し角度は20度前後、バックスピン量は6000rpm程度が妥当な数値ですが、上記のようなゴルファーの場合は打ち出し角度が17度〜16度、バックスピン量が5000rpm程度になります。

また、インパクト時の写真撮影画像を見るとインサイドアウト軌道、かつ、ハンドファーストが強くなっていることが分かります。

さらに、インパクト時のライ角の写真画像を見るとインパクトライ角が59度〜58度程度であることが多いです。

(この場合は61度〜62度くらいが妥当)

このように、計測器による定量的(数値的)なデータとインパクト時の写真画像という視覚的なデータを確認することで現状のスイングを正確に把握することができ、問題点の見極めと、改善策の実施ができるようになります。

しかし、それも数値の基準値や、数値の意味、なぜ、その数値になってしまうのか、どんなスイングをするとその数値になるのか、という部分を理解している必要があります。

さらに、どんなクラブで計測したか、まで考える必要があります。

私は、アマチュアの計測、指導、クラブフィッティングを行って来たので、問題の基本的な解決法を理解しています。

すべて、データとして蓄えているためです。

上記のような

「腰の回転が早すぎるがゆえにインサイドアウト軌道、強すぎるハンドファーストになってしまうゴルファー」

に、次のような指導をしたらどうなるか。

「切り返しでは腰を先行させる」
「切り返しからのコックの解放を遅らせてタメを作れ」
「下半身始動を意識して、ハンドファーストでインパクトしろ」
「アウトサイドイン軌道だけはダメ、インサイドアウト軌道がベスト」

これらは、良く聞くようなフレーズです。

これらは決して間違いではありません。

しかし、さきほど紹介したゴルファーがこれらを意識して練習した場合、逆にスイングは悪化していきます。

なぜなら、これらのフレーズは、

・ハンドファースト
・インサイドアウト軌道

を、促進するものだからです。

ハンドファースト、インサイドアウト軌道が過ぎることが問題となっているゴルファーに対し、それを促進するフレーズを投げかけることは、栄養の摂り過ぎで不調に陥っている人に 「もっと栄養を摂りなさい」 と言っているのと同じなのです。

上記のようなフレーズは、ボディーターンができていない、アウトサイドイン軌道のゴルファーに言うべきフレーズです。

ボディーターンができていないアウトサイドイン軌道のゴルファーは

・インパクト時に手元よりクラブヘッドが先行する
・トップからの切り返しで手から始動してしまう
・左足への体重移動がうまくできない
・スイングプレーンがアップライト過ぎて、打点がトー側に集中する

という症状が発生します。

このようなゴルファーには、先ほどのような

・「切り返しでは腰を先行させろ」
・「切り返しからのコックの解放を遅らせてタメを作れ」

という指導は有効です。

つまり、万人にとって有効な「動作」はありません。

今の自分のスイングの状態に合わせた練習法を実施することが重要になります。

これはとても重要なことです。

しかし、このようなことは、あまり言われません。

ゴルフ雑誌のレッスン記事などは、

「タメを作って20ヤードアップ!」
「これからはタメをつくらないのが主流!」
「体重移動を使って飛ばせ!」
「体重移動をしないのがPGA流!」

などと、毎度、いろいろなことを書きます。

これらは、間違いではありません。

しかし、難しいのは、その情報が、自分にとって有益なのかどうか、判断をすることが難しいです。

それを判断する方法を教えてくれる人や情報はとても少ないからです。

「自分の現状のスイングの問題点を見極めて、自分にとって有効な改善策を実施する」

そんな情報は、あまり、ありません。

だから、私が情報発信することにしました。

私は、日々、多くのゴルファーに

・計測器を用いた定量的な指導
・インパクト時の写真画像を用いた視覚的な指導

をしてきました。

そして、

「何十年もゴルフ雑誌の記事を信じて練習したために、すべて無駄な練習だった」
「20年解決しなかった悩みの原因が、10分で分かり、解決法が5分で分かった」

という人を、本当にたくさん見てきました。

そのような経験から、ゴルファーが自分自身で

1.現状の自分のスイングを「正確に」把握する

   ↓

2.スイングの問題点を見極める

   ↓

3.改善策を実施する

この3ステップを実施できる情報の発信をしました。

決して簡単に理解できる上達法ではありません。

しかし、簡単に理解できる教材からは本当に大事なことは学べません。

大事なことを学ぶには、学ぶ苦労が必要だと、私は感じています。

「1.現状の自分のスイングを「正確に」把握する」
を実施するためには、定量的な数値計測と数値の意味、 インパクト写真撮影による視覚的な確認を行う必要があります。

「2.スイングの問題点を見極める」
を実施するためには、スイングの原理原則を理解し、何が原因で悪い結果になるのか、その根本を突き止める深い知識が必要になります。

「3.改善策を実施する」
を行うためには、1と2のステップを正しく実施し、徹底的に改善策を実施する必要があります。

徹底的に行うので、心底、信じていないと実践できません。

しかし、徹底した実践だからこそ、何となくで10年、20年、やってもなおらないことが、1ヶ月〜3ヶ月で改善します。

「自分のスイングの問題点を正確に見極めて、それを解決する練習法を徹底して実施する」 このたった1つの信念を胸に、活動しています。

懸命な練習が報われないゴルファーが多い今の状況を改善したいと考えています。

日々、さまざまなゴルファーを現場で指導し、さまざまな情報に毒されているゴルファーを大勢見れば、そのような気持ちになるものと思います。

1.現状の自分のスイングを「正確に」把握する

   ↓

2.スイングの問題点を見極める

   ↓

3.改善策を実施する

このステップが多くのゴルファーの常識となり、日本人アマチュアゴルファーの練習が報われる環境になるまで、私は情報を発信し続けようと思います。

倉木 真二

>コラム一覧に戻る