コラム

■「フォローを大きくしろ!」の本当の目的

「フォローを大きくしろ!」

という格言があります。

「フォローを大きく取ることで、良い弾道が出る!」

「フォローを大きく取ることで、スイングが良くなる!」

このような言葉をよく聞きます。

この言葉を聞いたことがあるゴルファーは沢山いると思います。

しかし、

「なぜ、フォローを大きく取ることが良いのか?」

について、深く理解しているゴルファーは少ないと思います。

それは、指導する方が具体的に説明しないという理由もあり、指導される方が具体的に説明を求めないという理由もあるように思います。

なので、この点について、明確に理解していないということであれば、この機会に理解して欲し位と思います。

フォローを大きくすると良い理由。

それは、

「アウトサイドイン軌道になりにくいから」

です。

これが一番、根本的な理由です。

具体的に説明して行きます。

「手打ち」とは一体、何なのか?」のコラムで

手打ちとは、トップから手で始動してしまった結果、アウトサイドイン軌道、かつ、ヘッド先行のインパクトになる、という説明をしました。

そして、このスイングだと、フォローが小さくなります。

なぜなら、

・アウトサイドイン軌道を手でやるので、フォローで左肘が抜けない(腰が回転していないので、腕の通り道が無い)

・ハンドファーストにしないように、体重が右足に残り続けてしまう

という動作をするためです。

逆に、大きなフォローを取るためには、

・インサイドアウト軌道の方がやりやすい

ということになります。

つまり、

「大きなフォローをとれ!」

というのは、手打ちのアウトサイドイン軌道の解消方法として有効なものである、ということなのです。

そのことを理解して取り組むのと、知らずに取り組むのでは、全く効果が違って来ます。

ある程度のセンスがあれば、このような簡単なアドバイスでも成果が出てしまうが、一般のゴルファーでは難しいのです。

フォローを大きくしようとしても、そもそもの問題である、手始動の手打ちになっていることを理解しない限り、フォローを自然と大きく取ることができません。

手打ちのアウトサイドイン軌道のゴルファーがフォローを大きくしようと取り組もうとするのは、まだ良いです。

問題解決に有効なイメージだからです。

最悪なのは、

「インサイドアウト軌道が強すぎることが問題となっているゴルファー」

の場合です。

インサイドアウト軌道が強すぎるゴルファーは、基本的に、タメが強すぎたり、ダウンスイングでのコックの解放が遅いためにインサイドアウト軌道になり、プッシュアウトやチーピンに悩まされるようになります。

そんなゴルファーが

「より大きなフォローをとれ!」

と指導され、実践してしまった場合、さらにインサイドアウト軌道が悪化します。

なぜなら、さらに大きなフォローを作ろうとすると、コックの解放が、さらに遅れてしまうからです。

このように、万人に有効な

「練習ドリル」「フレーズ」

というのは、殆どありません。

状況によって、最適な練習法は変わります。

スイングが変われば、課題も変わるのです。

誰にでも同じ事を指導してもダメということです。

要は、

「その指導の奥に隠された本当の意味」

を、理解しなければ、成果がでないどころか、ひどい場合は、逆効果にもなってしまう、という話です。

一つ一つ、

「なぜ、そうするのか」

「どうしてそうなのか」

「その本当の意味は何なのか」

を考えるのは、大変かもしれません。

しかし、そういうことを考えずに、ただ闇雲にボールを打ったり、深く考えずに、何かしらのドリルを実践してしまうのは、もっと大変なことになってしまう、ということなのです。

キチンと考え、知識を身につけた上で、納得し、そして実践する。

これこそが、誰もが効率良く上達できる、唯一の方法だと信じています。

センスがある、膨大な練習時間を確保できる、たまたまうまく行った、そういう過程をたどって上達したゴルファーからもらった助言に対し

「あの人は上手い人だから、素直に聞いておこう」

と考えてしまう、的はずれな練習をしてとんでもないことになってしまうかもしれません。

面倒でも、キチンと一つ一つ丁寧に考え、深く掘り下げ、納得してから実践する。

そういう癖を付けていって欲しいと思います。

そうやって知識を積み重ね、必然的に上達していった場合、不調の時の原因がハッキリわかるので、回復も早いのです。

たまたまうまく言った、センスがあった、で一気に上達してしまうと、不調で一気に崩れ、立て直すのが難しくなってしまいます。

この記事を読んでいるあなたは、キチンと自分の頭で考え、納得し、そして着実に、上達していって欲しいと思います。

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